梨の注目成分
カリウム、ソルビトール、リンゴ酸
梨の成分に期待される効能
咳止め効果、疲労回復、便秘解消、高血圧予防
梨に含まれるカリウムの成分でガン予防
日本梨、中国梨、西洋梨などどの梨ではカリウムが豊富に含まれており、カリウムには体内のミネラルバランスを正常にして、高血圧の予防やがん化の予防・改善に役立ちます。
日本人の場合は、食塩としてナトリウムをとりすぎる傾向があるため、カリウムの成分の入った食品の摂取が重視されています。
便通やのどの炎症に役立つ梨
梨は約90%が水分で、甘味はソルビトールという糖アルコールの一種によるものになり、便通の改善や痰の切れが悪い時、空咳、のどの痛み、渇き・炎症など、のどの不快症状の改善に役立ちます。
発熱時の軽い脱水症状の改善にも有効で、体内にこもった熱の解消に役立つので、熱中症の予防にも期待できます。
果糖やリンゴ酸、クエン酸を豊富に含み、疲労回復効果に役立ちます。
独特の食感は石細胞のリグニンやペントザンという食物繊維で、便通の改善に効果的です。
お酒の毒を取り除く作用もあるので、飲みすぎたときの酔い覚ましや二日酔いの改善に期待できます。
タンパク質分解酵素、プロテアーゼを含んでいるので、韓国料理ではすりおろして肉を柔らかくする為に利用されています。
バラ科ナシ属 梨の栄養成分
可食部100gあたり 日本食品標準成分表2015年版(七訂)参照
日本梨 生 | 西洋梨 生 | 1日の食事で必要な推奨量 | ||
男性30~49歳 | 女性30~49歳 | |||
食物繊維 | 0.9g | 1.9g | 20g以上 | 18g以上 |
カリウム | 140mg | 140mg | 3000mg以上 | 2600mg以上 |
カルシウム | 2mg | 5mg | 650mg | 650mg |
βカロテン | 0 | 0 | 900μg | 700μg |
レチノール | 0 | 0 | ||
ビタミンD | 0 | 0 | 5.5μg | 5.5μg |
ビタミンE | 0.1mg | 0.3mg | 6.5mg | 6.0mg |
ビタミンK | 0 | 0 | 150μg | 150μg |
ビタミンB2 | Tr | 0.01mg | 1.6mg | 1.2mg |
ビタミンB12 | 0 | 0 | 2.4μg | 2.4μg |
葉酸 | 6μg | 4μg | 240μg | 240μg |
ビタミンC | 3mg | 3mg | 100mg | 100mg |
単位:μg(マイクログラム)とは、
1g=1000mg=1000000μg
1μg=0.001mgになります。
Tr:含まれている量が最小記載量に達していない事を示します。
食べ合わせによる相乗効果
梨+うど:二日酔い防止、ガン予防
梨+ヨーグルトなどの乳酸菌:免疫力向上
梨+柿:夏バテ予防
梨+大根:消化促進、便秘予防、胃腸障害の改善
梨+ゆりね:不眠改善
梨+ハチミツ:咳止め
梨+レンコン+大根:二日酔いの解消
保存方法
日本梨
ビニール袋に入れて、冷蔵庫の野菜室保存します。目安は1週間程度です。日本梨は追熟しないので、早めに食べましょう。
西洋梨
追熟させたい場合は紙袋などに入れて、20℃前後で保存します。熟すのを遅らせたい場合は冷蔵庫の野菜室で保存します。
食べごろの目安
日本梨
赤梨は表面のざらつきがなめらかになってきた時が食べごろです。青梨は黄色みをおびてきたら食べごろです。2~5℃での保存がおいしい適温です。
西洋梨
軸が茶色く乾燥し、まわりを押してやわらかさを感じるようになると食べごろです。追熟後は10℃以下の涼しい場所で保存します。
梨の甘い部分
西洋梨はお尻の部分にいくほど甘くなっており、西洋梨の代表品種のラ・フランスは甘みが強く、芳醇な香りとトロリとした食感が特徴となっています。
日本梨は種のまわりとお尻の部分が一番甘く、中部分、上部分の順に甘くなっています。
青梨系の代表品種の二十世紀は、さっぱりとした甘みとシャリシャリとした食感が特徴です。
梨を食べる時の注意事項
梨は殺虫剤を多く使用している可能性が高い果物になります。
殺虫剤は脂肪に溶ける為、皮は厚めにむくことがおすすめです。
皮をむく前に流水で30秒ほど手でこすり洗いする事で、表皮の残留農薬を除去します。
体を冷やす作用があるので、冷え性の人は食べ過ぎに注意が必要です。
コメント