白米に押し麦を3割入れるだけで糖尿病の予防・改善に期待できる最古の作物大麦

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注目の成分

食物繊維、βグルカン

大麦に期待される効能

抗ガン作用、コレステロール値低下作用、エネルギー補給、疲労回復、精神安定

旬は5~7月です。

消化不良を改善して、便秘を解消する大麦

大麦は抗ガン作用のあるβグルカンが豊富で、コレステロール値低下作用にも期待できます。

胃腸の働きを高めて消化吸収を促す効果があり、胃もたれや消化不良を改善します。

体にこもった熱を冷まして老廃物の代謝を高める作用もあり、むくみや体の重だるさ、便秘などの改善にも効果的です。

大麦は非常に消化がよく、白米の3分の1の時間で消化吸収されるため、消化不良でお腹が張っているとき、胸やけや胃痛、胃の弱い人や便秘がちな人には最適といわれます。

その為、漢方でも大麦芽という生薬として、小児や老人の消化不良、胃腸障害などによく用いられています。

食物繊維は白米の約17倍も含まれており、腸内の不要な物質を排出して便秘を改善するだけでなく、血糖値の上昇を抑制する働きもあるため、古くから糖尿病や生活習慣病の予防によいといわれています。

押し麦は丸麦を高温高圧をかけて作られているので消化酵素が減少しています。丸麦のほうが消化酵素が生きており消化吸収が良くなっています。

 

麦ごはんのGI値

大麦の外皮を剥いで軽く蒸し、ローラーを使って平たくしたものが「押し麦」で、炊きやすくなっており、白米に3割程度混ぜて炊いたのが、麦ごはんです。

白いごはんのGI値を100とした場合、麦ごはんは65、発芽玄米ごはんは65の値となっています。

GI(グリセミック・インデックス)とは、その食品を食べた時、実際にどれだけ血糖が上がるかを示す指標です。

GIの値が高い食品は血糖にすばやく変わるため、大量の血糖が血液に入り、糖尿病や心筋梗塞の発症率のリスクが増加する可能性があります。

低GI値の食品を摂取した場合は、体はゆっくりと長い時間をかけて炭水化物をブドウ糖に変えていき、血糖の上昇がおだやかになります。

そのため、気分も安定して、肥満を改善し、糖尿病への進展を防ぎ、心臓血管系疾患や高血圧症にも有効とされています。

ごはんよりサラダを先に食べて、早食いをしないようにすれば、GI値を多少下げる事が可能なようです。

 

大麦の栄養成分

可食部100gあたり 日本食品標準成分表2015年版(七訂)参照

七分つき押し麦 押し麦
食物繊維 10.3g 9.6g
カリウム 220mg 170mg
カルシウム 23mg 17mg
βカロテン 0 0
ビタミンE 0.3mg 0.1mg
ビタミンK 0 0
ビタミンB2 0.07mg 0.04mg
ビタミンC 0 0
そのまま炊いて食べる以外にも、味噌、醤油、ビール、麦茶などの原料としても広く利用されています。

日本人の1日に必要な食事での摂取基準量(2015年版)

30歳~49歳 男性 30歳~49歳 女性
推奨量 耐用上限量 推奨量 耐用上限量
食物繊維 20g以上 18g以上
カリウム 3000以上 2600以上
カルシウム 650mg 2500mg 650mg 2500mg
ビタミンA 900μg 2700μg 700μg 2700μg
ビタミンE 6.5mg 900mg 6.0mg 900mg
ビタミンK 150μg 150μg
ビタミンB2 1.6mg 1.2mg
ビタミンC 100mg 100mg

ビタミンAはβカロテン+αカロテン+レチノールの総量になります。

大麦の若葉は青汁の原料としてよく利用されています。

 

食べ合わせによる相乗効果

大麦+納豆:抗酸化力向上

大麦+長いも:消化促進

大麦+やまのいも:疲労回復

大麦+ワカメ:便秘解消

大麦+かぼちゃ:糖尿病予防

大麦に含まれる食物繊維が余分な糖質の排出に役立ち、かぼちゃのインシュリンの分泌を促す成分により糖尿病予防に期待できます。

 

大麦を食べる時の注意事項

大麦は夏バテ解消には最適ですが、体を冷やす食材の為、冷え性の人や胃腸が冷えて下痢をしている人、産婦で乳の出が悪い人は多食しないようにします。

料理で大麦を炒めて使用すると消化酵素が減少して消化が悪くなるので注意しましょう。

 

体の熱を冷ます麦茶

麦茶は、いった大麦を煎じたもので、体の熱を冷ます作用があります。血液をサラサラにしたり、胃の粘膜を保護する働きもあり、夏の水分補給に効果的です。

 

麦芽入り飲料

大麦を発芽させた麦粒を麦芽といい、ビールの原料や消化を促進する生薬としても使用されます。やさしい甘味があり、子供の消化不良や食欲増進に期待できます。

コーヒーや豆乳などとブレンドした麦芽入り飲料も人気のようです。

 

古くから糖尿病の薬とされる大麦

米、麦、アワ、キビ、豆の中でも「五穀の長」といわれるほど薬効の高い大麦は、古くから糖尿病を治し、熱を下げ、気力を増し、消化を促進する薬効があるとされています。

人類最古の作物のひとつである大麦は日本でも古くから栽培されていました。

 

 

 

 

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