注目の成分
食物繊維、βグルカン
大麦に期待される効能
抗ガン作用、コレステロール値低下作用、エネルギー補給、疲労回復、精神安定
消化不良を改善して、便秘を解消する大麦
大麦は抗ガン作用のあるβグルカンが豊富で、コレステロール値低下作用にも期待できます。
胃腸の働きを高めて消化吸収を促す効果があり、胃もたれや消化不良を改善します。
体にこもった熱を冷まして老廃物の代謝を高める作用もあり、むくみや体の重だるさ、便秘などの改善にも効果的です。
大麦は非常に消化がよく、白米の3分の1の時間で消化吸収されるため、消化不良でお腹が張っているとき、胸やけや胃痛、胃の弱い人や便秘がちな人には最適といわれます。
その為、漢方でも大麦芽という生薬として、小児や老人の消化不良、胃腸障害などによく用いられています。
食物繊維は白米の約17倍も含まれており、腸内の不要な物質を排出して便秘を改善するだけでなく、血糖値の上昇を抑制する働きもあるため、古くから糖尿病や生活習慣病の予防によいといわれています。
麦ごはんのGI値
大麦の外皮を剥いで軽く蒸し、ローラーを使って平たくしたものが「押し麦」で、炊きやすくなっており、白米に3割程度混ぜて炊いたのが、麦ごはんです。
白いごはんのGI値を100とした場合、麦ごはんは65、発芽玄米ごはんは65の値となっています。
GI(グリセミック・インデックス)とは、その食品を食べた時、実際にどれだけ血糖が上がるかを示す指標です。
GIの値が高い食品は血糖にすばやく変わるため、大量の血糖が血液に入り、糖尿病や心筋梗塞の発症率のリスクが増加する可能性があります。
低GI値の食品を摂取した場合は、体はゆっくりと長い時間をかけて炭水化物をブドウ糖に変えていき、血糖の上昇がおだやかになります。
そのため、気分も安定して、肥満を改善し、糖尿病への進展を防ぎ、心臓血管系疾患や高血圧症にも有効とされています。
大麦の栄養成分
可食部100gあたり 日本食品標準成分表2015年版(七訂)参照
七分つき押し麦 | 押し麦 | |
食物繊維 | 10.3g | 9.6g |
カリウム | 220mg | 170mg |
カルシウム | 23mg | 17mg |
βカロテン | 0 | 0 |
ビタミンE | 0.3mg | 0.1mg |
ビタミンK | 0 | 0 |
ビタミンB2 | 0.07mg | 0.04mg |
ビタミンC | 0 | 0 |
日本人の1日に必要な食事での摂取基準量(2015年版)
30歳~49歳 男性 | 30歳~49歳 女性 | |||
推奨量 | 耐用上限量 | 推奨量 | 耐用上限量 | |
食物繊維 | 20g以上 | – | 18g以上 | – |
カリウム | 3000以上 | – | 2600以上 | – |
カルシウム | 650mg | 2500mg | 650mg | 2500mg |
ビタミンA | 900μg | 2700μg | 700μg | 2700μg |
ビタミンE | 6.5mg | 900mg | 6.0mg | 900mg |
ビタミンK | 150μg | – | 150μg | – |
ビタミンB2 | 1.6mg | – | 1.2mg | – |
ビタミンC | 100mg | – | 100mg | – |
ビタミンAはβカロテン+αカロテン+レチノールの総量になります。
食べ合わせによる相乗効果
大麦+納豆:抗酸化力向上
大麦+長いも:消化促進
大麦+やまのいも:疲労回復
大麦+ワカメ:便秘解消
大麦+かぼちゃ:糖尿病予防
大麦を食べる時の注意事項
大麦は夏バテ解消には最適ですが、体を冷やす食材の為、冷え性の人や胃腸が冷えて下痢をしている人、産婦で乳の出が悪い人は多食しないようにします。
体の熱を冷ます麦茶
麦茶は、いった大麦を煎じたもので、体の熱を冷ます作用があります。血液をサラサラにしたり、胃の粘膜を保護する働きもあり、夏の水分補給に効果的です。
麦芽入り飲料
大麦を発芽させた麦粒を麦芽といい、ビールの原料や消化を促進する生薬としても使用されます。やさしい甘味があり、子供の消化不良や食欲増進に期待できます。
古くから糖尿病の薬とされる大麦
米、麦、アワ、キビ、豆の中でも「五穀の長」といわれるほど薬効の高い大麦は、古くから糖尿病を治し、熱を下げ、気力を増し、消化を促進する薬効があるとされています。
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