大根に含まれる注目の成分
イソチオシアネート、リグニン、オキシダーゼ、ジアスターゼ、カタラーゼ、アミラーゼ
期待される作用
ガン予防、消化促進、活性酸素除去作用、整腸作用
イソチオシアネート類などのガン抑制効果
大根の辛味のもとはイソチオシアネートというイオウ化合物で強力な抗酸化物質になります。
イソチオシアネートは、肝臓を助けて解毒作用を強化してガンの発生を抑制するほかにも、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす血栓を出来にくくすると考えられています。
葉に近い部分よりも、辛味の強い根に近い部分に豊富に含まれています。
リグニンと呼ばれる食物繊維を多く含んでおり、有害物質の排出を促進し、ガン細胞の発生を抑制します。
又、大根には、アミラーゼやオキシダーゼなどの消化酵素も含まれています。
オキシダーゼは、魚の焼け焦げに含まれるトリプP1などの発ガン物質を無毒化するといわれています。
胃腸の不調改善に役立つ大根
大根に含まれている消化酵素のアミラーゼには胃腸の調子を整えるのに役立っています。
体内の余分な熱を取ってくれるので、風邪の熱やのどの痛みの改善に期待できます。
カリウムを含んでいるので、利尿作用があり、お腹の張りやむくみの解消に役立ちます。
胃腸の機能を回復させる大根の利用方法
大根に含まれるアミラーゼは、デンプンを分解して消化を高める作用があり、アリル化合物は胃液の分泌を促して、胃を健康に保ちます。
大根の栄養素を取る場合は、大根おろしが最適だといわれており、ビタミンCは皮の方に多く、アミラーゼは根の先端の部分に多く含まれます。
消化酵素のジアスターゼは熱に弱いので生のままで食べるのが効果的です。
ビタミンCやアミラーゼを有効活用するなら、サラダや大根おろをしにするなど、生で食べるようにすれば効果を最大限にいかす事が出来ます。
大根の繊維は縦に通っているので、大根をおろす場合は繊維と垂直方向で削ると口当たりのよい大根おろしになります。
大根1本を使い分ける場合には、葉の部分に近い甘い首の部分はサラダに、中央部分は煮物に、先端部分はおろしなどがお勧めです。
生の大根は体を冷やす性質を持っているので、手足の冷えなどの症状がある方は、切り干し大根を使った料理や、煮物などで食べる事で、胃腸をあたため、消化・吸収能力が高まります。
アブラナ科ダイコン属 大根の栄養成分
可食部100gあたり 日本食品標準成分表2015年版(七訂)参照
大根 根 生 | 大根 根 ゆで | 1日の食事で必要な推奨量 | ||
男性30~49歳 | 女性30~49歳 | |||
食物繊維 | 1.4g | 1.6g | 20g以上 | 18g以上 |
カリウム | 230mg | 210mg | 3000mg以上 | 2600mg以上 |
カルシウム | 24mg | 24mg | 650mg | 650mg |
βカロテン | 0 | 0 | 900μg | 700μg |
レチノール | 0 | 0 | ||
ビタミンD | 0 | 0 | 5.5μg | 5.5μg |
ビタミンE | 0 | 0 | 6.5mg | 6.0mg |
ビタミンK | Tr | 0 | 150μg | 150μg |
ビタミンB2 | 0.01mg | 0.01mg | 1.6mg | 1.2mg |
ビタミンB12 | 0 | 0 | 2.4μg | 2.4μg |
葉酸 | 34μg | 38μg | 240μg | 240μg |
ビタミンC | 12mg | 9mg | 100mg | 100mg |
単位:μg(マイクログラム)とは、
1g=1000mg=1000000μg
1μg=0.001mgになります。
Tr:含まれている量が最小記載量に達していない事を示します。
保存方法
根と葉は別々に湿らせた新聞紙で包んで、冷暗所で保存します。
カットされたものはラップに包んで冷蔵庫の野菜室で保存します。
食べ合わせによる相乗効果
大根+あさり:生活習慣病予防
大根+ハチミツ:のどの腫れの改善
注意事項
大根と高麗人参の組み合わせると、高麗人参の薬効が減るといわれています。
古代から生活の重要野菜とされた大根
古代エジプト時代から栽培されており、最古の野菜の一つとされています。
大きく分けると、ヨーロッパ大根・中国大根・日本大根の3種類になります。
日本には弥生時代に伝わり伝来種と中国大根の交配で色々な種ができ、各地へ広がりました。
青首大根という種類は、国内の流通量の大部分を占める品種で、根の上部がほんのりと緑色なのが特徴で、一年中収穫出来て色々な料理に幅広く利用されています。
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