βカロテンより強い抗ガン・抗酸化作用がある鮭

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DHA・EPAなどの成分の他に、野菜と同じように魚介類も体を健康にする成分に違いがあります。

注目の成分

アスタキサンチン、カリウム、パントテン酸、DHA、EPA、ビタミンE

鮭に期待される効能

大腸ガン予防、膀胱ガン予防、食道ガン予防、疲労回復、髪の健康維持、貧血予防

美味しい時期は9月~1月です。

赤い色素にガン予防作用がある鮭

鮭の身の赤色は、アスタキサンチンという色素によるもです。アスタキサンチンカロテノイドの一種で協力な抗酸化作用があり、免疫力を高めてガン予防に期待できます。

動物実験では、アスタキサンチンを与えると膀胱ガン、大腸ガン、舌ガンに効果があったとされています。

アスタキサンチンにはβカロテンの何倍もの効果があり、抗酸化作用に期待できます。

赤い色の強い鮭ほどアスタキサンチンが多く含まれており、鮭には白鮭、銀鮭、紅鮭などありますが、赤い色がもっとも強いのは紅鮭で、ガン予防にはお勧めの魚です。

アスタキサンチンの色素で赤い色をしているので赤身魚と思われがちですが、鮭は白身魚です。

 

ビタミンB群で疲労回復や成長促進に効果的

鮭は温性の為、胃を温めて胃腸の働きを高めるのに役立ちます。

むくみの改善や血の巡りを良くして冷え性の改善にも期待できます。

ビタミンB1は疲労回復に役立ち、ビタミンB2は肌や髪を美しく保ち、ビタミンB12は貧血予防に効果があります。

ビタミンB群はまとめて摂取したほうがよいとされ、鮭はビタミンB群を効果的に摂れる食材となっています。

カルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富に含まれており、皮の下にはコラーゲンやDHA、EPAが豊富に含まれています。

特に鮭の皮の部分にはビタミンB2やコラーゲンが豊富に含まれています。

アスタキサンチンの抗酸化作用はストレス性免疫低下の抑制、白内障や胃潰瘍の防止に効果があると言われています。

アスタキサンチンは焦がすと損失するので注意が必要です。

 

魚のDHA・EPAの効力

魚などに含まれる優れた脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)には、ガン、脳卒中、心筋梗塞、アレルギー疾患の予防に効果があると考えられています。

脂肪酸から体内でつくられるプロスタグランディンE2は炎症やガンを発生させてガンを促進します。DHAはプロスタグランディンE2を合成する酵素を抑えて、ガンを予防しアレルギー疾患も抑える効果に期待されています。

動物実験では、DHAには大腸ガン、乳ガン、子宮頸ガンを抑制する効果があることが確認されています。

EPA(エイコサペンタエン酸)もDHAと同じような働きをすることで知られています。

EPAには血液中の脂質の濃度を下げて血液を流れやすくしたり、脳を活性化させたりします。動脈硬化を抑制するので、免疫力を高め、ガン予防にも期待されています。

 

サケ科 鮭の栄養成分

可食部100gあたり 日本食品標準成分表2015年版(七訂)参照

白鮭 生 銀鮭 生 紅鮭 生 大西洋鮭 生
食物繊維 0 0 0 0
カリウム 350mg 350mg 380mg 360mg
カルシウム 14mg 12mg 10mg 8mg
βカロテン 0 Tr 0 0
レチノール 11μg 36μg 27μg 17μg
ビタミンD 32.0μg 15.0μg 33.0μg 10.0μg
ビタミンE 1.2mg 1.8mg 1.3mg 3.4mg
ビタミンK 0 0 0 0
ビタミンB2 0.21mg 0.14mg 0.15mg 0.09mg
ビタミンC 1mg 1mg Tr 1mg
DHA 400mg 1200mg 480mg 1400mg
EPA(IPA) 210mg 740mg 270mg 850mg

単位:μg(マイクログラム)とは、
1g=1000mg=1000000μg
1μg=0.001mgになります。

Tr:含まれている量が最小記載量に達していない事を示します。

IPA(イコサペンタエン酸)はエイコサペンタエン酸とも呼ばれ、EPAの略称が用いられます。

DHA・EPAの理想的な摂取量は、1日1g以上摂取することが望ましいとされます。

身の赤色は餌として食べていたエビなどのカロテノイド色素の一種のアスタキサンチンが筋肉にたまったものだといわれています。

 

日本人の1日に必要な食事での摂取基準量(2015年版)

30歳~49歳 男性 30歳~49歳 女性
推奨量 耐用上限量 推奨量 耐用上限量
食物繊維 20g以上 18g以上
カリウム 3000以上 2600以上
カルシウム 650mg 2500mg 650mg 2500mg
ビタミンA 900μg 2700μg 700μg 2700μg
ビタミンD 5.5μg 100μg 5.5μg 100μg
ビタミンE 6.5mg 900mg 6.0mg 900mg
ビタミンK 150μg 150μg
ビタミンB2 1.6mg 1.2mg
ビタミンC 100mg 100mg

ビタミンAはβカロテン+αカロテン+レチノールの総量になります。耐用上限量は野菜などの食材で摂取する場合は問題ないですが、サプリメントなどで摂取した場合に悪影響が発生する可能性のある数値になります。

DHA・EPAの理想的な摂取量は、1日1g以上摂取することが望ましいとされます。

 

食べ合わせによる相乗効果

鮭+牛乳:骨粗鬆症予防

鮭+牛乳+ブロッコリー:老化防止

鮭+トマト:ビタミンB2とリコピンで細胞を丈夫にする

鮭+玉ねぎ:血栓の予防

鮭+人参:動脈硬化予防

鮭に含まれるビタミンDにはカルシウムの吸収を促進する働きがあるので、シチューやクリーム煮など、牛乳と組み合わせると吸収率がさらにアップします。

 

国産の白鮭がスーパーで余り見かけない理由

天然の白鮭はチリやノルウェー産の養殖の銀鮭や大西洋鮭と比べると脂が少なくあっさりとしています。

国産の白鮭の漁獲量が減っているわけではないようですが、脂がのった魚を好む日本人には海外の鮭のほうが食卓の食事に適しているようです。

日本の天然白鮭の多くが安心・安全な魚を望むヨーロッパなどで人気の為、海外へ輸出されているようです。

その為、スーパーでは、海外から輸入された養殖鮭が販売されている事が多いようですね。

 

生食可能な鮭の養殖

とろけるような食感が人気の大西洋鮭(別名アトランティックサーモン)の多くはノルウェー産の養殖魚です。

寄生虫の心配のない人工飼料と徹底管理された養殖環境によって、生食が可能になっているようです。

 

養殖の鮭の注意事項

鮭の身が赤い色をしているのは、エビやオキアミを食べている影響によるものです。

養殖の餌に高価なエビは多用できないので、身を赤い色にするために餌に着色料を混ぜている場合もあると言われています。

餌に添加物を使っても表示する義務はなく、又、病気にならないように病原菌や細菌駆除の薬品が投与されている可能性もありますが、見ただけでは判断はできないようです。

ノルウェーやチリの養殖鮭は危険だという話を聞く理由はこういう事からのようです。

 

天然もの鮭の注意事項

天然のサケ科魚類には、アニサキス、裂頭条虫(サナダムシ)の寄生が見られるため生食は危険だとされ、これらを体内に取り込むと強い腹痛、腹部膨満などの症状が出ます。

しかし、アニサキスはマイナス20℃で24時間以上冷凍するか、60℃で1分以上加熱することで死滅させる事が可能です。

 

 

 

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